フナ釣り、伝統の真鮒つり
釣りは鮒にはじまる・・・
「釣りは鮒にはじまり鮒に終わる」などと言ったものだが、近頃鮒釣りをする釣り人の姿をみかけることが少ない。ここでいう鮒釣りは、ヘラブナ(箆鮒)ではない。マブナ(真鮒)つりのことだ。マブナは日本伝来の釣り魚で、ヘラブナと比べると体高が低く、真鯉に近いローフォルムだ。マブナ釣りは沼沢地や、大河川に近接した平野部で盛んな釣りで、「シモリ釣り」や「並べ釣り」など地方ごと地域ごとに流儀がいろいろとある。鮒自体は年中釣り上げることが可能な魚で、「カンタン」な一面からハゼ釣りなどと比較されることも多い。とはいえ、マブナ釣りも30cm越えの大物が相手となると相当スリリングで、簡単に釣り上げることはできない。
マブナ釣り、それは日本伝統のつり
日本伝来の釣り、マブナ釣りで相手にするこのマブナという魚は、通説によると一年で1寸くらい成長するそうで、単純計算すると1尺のマブナは10年を生きたことになる。秋の小鮒釣りを楽しんだことのある人は、鮒の繁殖力を知っていることだろう。狭い用水路の中からいくらでも釣り上げることができる小鮒、いったいどれくらいの小鮒がおよいでいるのだろうか?想像するとめまいがする。それとマブナは大層タフな魚でもある。釣り上げた鮒を水中にうたらしたびくの中に入れては、水から上げて移動。これを朝から晩まで繰り返しても、びくの中に入れた鮒が死んで浮くのを見ることは滅多にない。
マブナ釣り幻想
冬には木枯らしに背を向けて寒鮒を釣り、春には桜の下でのんびりと釣り糸をたれ、晩夏には麦わら帽子の子供たちが歓声をあげ、秋には親子で小鮒釣り。そんな懐かしい釣りの情景も今は少なくなってしまった。釣り場だった沼沢地は埋め立てられ、用水路はコンクリート護岸となりはて、さしものタフなマブナも繁殖の場所を奪われては数が減る一方だ。おまけにバス釣りの流行で、ゲリラ放流されたバスやギルに押されて、見る影もないありさま。マブナ釣り師の姿を見かけなくなったのも当然なのだ。